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2年生の今月の本


こぐまと星のハーモニカ タイトル こぐまと星のハーモニカ
著者 赤羽 じゅんこ(作)小池 アミイゴ(絵)
出版社 フレーベル館
 

 夏休みさいしょの日、たっくんとケンカした。とっくみあいの大ゲンカ。夏休み、たっくんといっしょに、たくさん、あそぶつもりだった。あれもしよう、これもしようと、たくさんやくそくをしていたのに……。でも、ぼくからは、ぜったいにあやまりたくない。
その日の夜、ぼくはなかなかねつけなかった。ベッドの上でゴロンゴロン。たっくんのおこった顔ばかり、あたまにうかんでしまう。こまったな、と思っていたら、
  トントコトトン、トントコトトン
まどをたたく音がした。へんてこなリズム。「だれ?」こわごわ、カーテンをあけて、ぼくは目を見ひらいた。いっぴきのこぐまが、「やぁ」ってかんじに手をあげている。いそいでカーテンをしめる。でも、ぜんぶしめないで、すきまからのぞいた。こぐまはしょんぼりとうなだれていた。きけんなかんじはしない。思いきって、まどをちょっとひらいた。「ぼくんちに、なにか用?」「ここにとめてくれないかい? 家出して、行くところがないんだ。」こぐまは兄ちゃんとケンカしたのだそうだ。歌がすきなのに、すごいオンチってわらいころげられてしまって。そりゃ、いやだ。「ぼくのへや、ベッド、ひとつだよ」「いいよ。ぼく、はしっこでねる」こぐまは、にこっとわらった。さっそく、へやに入ってくると、ぼくのベッドによこになる。こぐまの体はふかふかで、もうふみたいにやわらか。だきついたら、きもちよくなって、ストンとねむりにおちてしまった。

●家出のこぐまが突然現れて、ゴウは夏休みをこぐまと一緒に過ごすことになりました。ふしぎなことに、こぐまはパパやママには見えません。牧場のまわりで電車あそびをしたり、昼寝をしたり、こぐまのおかげで夏休みが楽しい時間に変わります。でも、時折ふっと考えてしまうのは、たっくんのこと。たっくんはどうしているのだろうと考えると、ゴウのむねのおくは、きゅんと痛くなるのでした。心のおくに閉じ込めたある思いを、ゴウはどう乗り越えていくのでしょうか。

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