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> ライ麦をたべたろばのロバート
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タイトル |
ライ麦をたべたろばのロバート |
著者 |
林原 玉枝(作) さとう あや(絵) |
出版社 |
冨山房インターナショナル |
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「わるい子じゃ。こんどというこんどは、ゆるさんぞ」こうたろうさんが、こぶしをふりあげて、かおをまっかにして、どなっています。足もとには、ロバートのたべちらかした、ライ麦のワラがちらばっています。
こうたろうさんは、ふだんはめったにおこらない、人にも動物にもやさしい、おひゃくしょうさんです。でも、一しゅうかんまえ、ロバートは、こうたろうさんとおくさんが、半日かけて、より分けて、ざるに入れていた、きれいな赤いあずきを、ざるにかおをつっこんで、ほとんどぜんぶ、むしゃむしゃたべてしまったのでした。ロバートは、そのときも、ぱっかぱっかぱっかと、はしってにげました。それだけではありません。その何日かまえには、うりものにするお米のふくろをふりまわして、中のお米をぜんぶじめんにばらまきましたし、そのまえだって、ゴミぶくろをちらかしてあそんだり、かぞえあげれば、きりがありません。
「おまえなんか、どこにでもいってしまえ。おおかみにでも、くわれろ」こうたろうさんは、ロバートにむかって、どなりました。ロバートは、ぱっかぱっか、にげました。
こうたろうさんが、おこっている。と、ロバートははしりながら、考えました。大好きなこうたろうさんが、ぼくのことを、すごくおこっている。こうたろうさんは、ぼくがきらいになった。ロバートは、とてもかなしい気もちになりました。でも、ロバートには、どうしてあんなに、こうたろうさんがおこっているのか、さっぱりわかりませんでした。山のしゃめんにはえているよもぎも、のき下に干してあるライ麦も、ロバートには、どれも同じおいしいごちそうなのです。ロバートは、どこかとおくにいこうとおもいました。こうたろうさんが、あんなにおこっているんですもの。
●ロバートは、農場のニワトリたちや犬のゴロウ、猫のミャアたちにおわかれのあいさつをしました。その誰もが、こうたろうさんがおこっているなら、ロバートはよっぽどわるい子なのだと言います。でもやっぱり、ロバートには何が悪いのかさっぱりわかりません。泣きながらどこまでもどこまでも遠くへ走っていくロバート。すると、その先で、ある事件を目撃することに……。ロバートはこのまま、農場を追い出されたままになるのでしょうか。
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