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> はっぴょう会への道
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タイトル |
はっぴょう会への道 |
著者 |
山本 悦子(作) 下平 けーすけ(絵) |
出版社 |
PHP研究所 |
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「やだなあ」学校からの帰り道、ひなこは、何度もつぶやきました。むねの中がおもたくて、地面にしずんでしまいそうです。
十月の終わり、ひなこたちの学校では、学習はっぴょう会が行われます。三年生は、「三まいの おふだ」というげきをします。もともとはむかし話ですが、三年生六十人でやるので、とくべつバージョンで、どの役も場面ごとにこうたいします。
五時間目、三年生全員で役決めをしました。ひなこの第一きぼうは、「川の水5」。せりふはひとこと。目立たない役がいいのです。「川の水5」の役をやりたい五人がじゃんけんをして、勝ったのはひなこと同じクラスのゆみちゃんでした。つぎは二人でしょうぶです。でも、ゆみちゃんは手を後ろにかくし、きえそうな声でいいました。「ゆみ、ほか、できない」ゆみちゃんは、一学期、教室で、ひとことも話すことができなかった子です。(どうしよう)ゆみちゃんは下を向いています。「『川の水5』、決まりましたか?」かな先生が、二人にたずねました。ひなこは、ゆみちゃんがかわいそうになって、つい、いってしまいました。「ゆみちゃんに……決まりました」ゆみちゃんが、おどろいたように顔をあげ、ひなこは小さくうなずきました。(まだ、せりふの少ない役はのこっているもの)
しかし、そこから ひなこはじゃんけんに負けつづけ、やまんば三姉妹の一人、せりふの多い「がりんば3」になってしまったのです。
●学習はっぴょう会での役が「がりんば3」になってしまい、ひなこはゆみちゃんに役をゆずったことを後悔していました。大きな声が出せなくて、ポーズをとるのもはずかしくて、練習では何度も注意されてしまいます。自分にはムリ、いっそ役をかえてもらおうか、そんな迷いが頭をめぐっているとき、もともとやりたい役ではなかったのは、自分だけではないと知り……。
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