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2年生の今月の本


チイの花たば タイトル チイの花たば
著者 森 絵都(作)たかお ゆうこ(絵)
出版社 岩崎書店
 

 チイのおばあちゃんは、お花やさんです。チイは、お店のすみっこから、おばあちゃんとお客さんのやりとりをながめるのがすきで、ちょこちょこお店に行っています。
 おばあちゃんのお店には、プレゼント用の花を求める人たちもたくさんおとずれます。きれいな花たばは、「おめでとう」の言葉を、色あざやかにてらしてくれるのです。プレゼントのりゆうは、人それぞれ。だから、おばあちゃんは、まず、お客さんからじっくりと話をききます。そして、どんな色の、どんな花の、どんな花たばをつくろうかとイメージをふくらませ、世界にひとつきりの花たばをかんせいさせるのです。かわいいリボンでしあげた花たばを見ると、お客さんたちは、きまって「わあっ」と目をかがやかせます。
 チイは、お客さんたちの笑顔を見るのが、だいすきです。まるで、チイのむねにも花がさいたみたいに、ふんわり、あまくなるのです。「おばあちゃんって、まほうつかいみたい。会ったこともない人たちにぴったりの花束を、ずばり、あてられるんだもん」
 ある日、チイはおばあちゃんにいいました。「ああ、わたしも、大きくなったら、おばあちゃんみたいなお花やさんになりたい!」すると、おばあちゃんは、思いがけないことをいったのです。「それなら、じきに、花にためされる日が来ることだろうね」

●チイのおばあちゃんは、もらう人にぴったりの花束をつくるすてきなお花屋さん。そんなおばあちゃんにあこがれて、チイもお花屋さんになりたいと夢見ています。‟花屋にふさわしい人間かどうかは、花にためされる日がくる”かつておばあちゃんも受けたというテストが気になって、チイの頭はそのことでいっぱいです。そして、ふしぎな広い広い花畑の夢を見たのは、そんなある日のことでした。

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