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2年生の今月の本


よそんちの子 タイトル よそんちの子
著者 いとう みく(作) 池辺 葵(絵)
出版社 ほるぷ出版
 

「かなちゃんって?」なこは、おやつの ドーナツを食べながら いいました。「お母さんの おともだちの子。その かなちゃん なんだけど、あしたから、しばらく うちに くることになったの」えっ? と、おにいちゃんは 目をみひらいて、なこを ちらと 見ました。「かなちゃんって、なこと ニさいちがい…ってことは、いま四さい? え、ひとりで だいじょうぶなの?」
 お母さんは、うんうんと まじめな顔をして、かなちゃんの ママが こんど しゅじゅつを することになったことを 話してくれました。かなちゃんちは ママと ふたりぐらし。しんせきの おつきあいも ないらしくて、お母さんが お父さんと そうだんして、かなちゃんを しばらく うちで あずかることに きめたのです。

 かなちゃんが うちにきて、しばらく たちました。おにいちゃんは、なこには すぐに めいれいするのに、かなちゃんには、にこにこ やさしい おにいちゃんです。お父さんは、かなちゃんにだけ、絵本の おみやげを 買ってきました。お母さんは、かなちゃんには、魚の ほねを とってあげます。かなちゃんは、いつも ちょっとうれしそうに、小さな声で「ありがと」といいます。そうすると、みんな、ちゃんとおれいをいえて、えらいとほめます。
 かなちゃんが きたとき、「なこおねえちゃん」ってお母さんにいわれて、なこは どきどきしていました。でも、いまは 少しもうれしくありません。

●なこの家に四才のかなちゃんが一人でとまりに来ています。おにいちゃんも、お父さんも、お母さんも、かなちゃんばかりかわいがって、まるでひいきしているようになこは感じます。いっそ、かなちゃんがうちの子になって、なこがよそのうちの子になればいいんだ……なこの心は複雑にゆれ動きます。戸惑いながらもひとまわり大きく成長する姿が繊細に描かれています。

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