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2年生の今月の本


幸せの王子 タイトル 幸せの王子
著者 オスカー・ワイルド
出版社 偕成社
 

 町の空たかく、背たかのっぽのまるい柱のうえに、幸せの王子の像がそびえたっていました。王子はからだじゅう、まじりけのない金箔でおおわれていて、目には、あかるいふたつのサファイアが、剣のつかには、大きな赤いルビーがかがやいていました。だれもかれもが、王子を心のそこからほめたたえました。

 ある夜、街のうえに、小さなツバメがとんできました。
「この一夜をどこですごそう? 街がやさしくむかえてくれると、いいんだけど」
 ツバメはいいました。それからツバメは、背たかのっぽの、まるい柱のうえの、王子の像を見つけました。
「ぼく、あそこで泊まろう」
 ツバメは、幸せの王子の足のあいだに、舞いおりました。そして、ねむるしたくをしようとしたちょうどそのとき、ツバメのうえに、大きな、水のひとしずくが落ちてきました。空を見あげたツバメは、なにを見たというのでしょう?幸せの王子のふたつの目が、涙でいっぱいでした。そしてその涙は、王子の金色の頬をつたって、ながれ落ちていました。

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