ぼくは、名探偵のネート。今日はアニーの飼っているこわい犬のファングの誕生日パーティへ出かけなくてはならない。朝からぼくと犬のスラッジは、せっせとパーティへでかける支度をしていた。すると、玄関のベルが鳴って、アニーとフラングがたずねてきた。

「たのみがあるの」
とアニーは言った。

「うちのかぎがどこかわからなくなっちゃって、中へ入れないの。これじゃ、ファングのお祝いのパーティもひらけないわ」

　かぎがなくなったのは、アニーには気の毒だったが、パーティがひらけないのは、ぼくにはやれやれだった。アニーは、ぼくにかぎがなくなった時の話をしてくれた。名探偵のぼくととしては、この事件を放っておくわけにはいかない。ぼくはスラッジと一緒に、かぎを探しにでかけることにしたのだが……。