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2年生の今月の本


カッパのぬけがら タイトル カッパのぬけがら
著者 なかがわ ちひろ
出版社 理論社
 

 ここは夏の川の中です。つめたい水と、あたたかな水とが、しまもようにまじって流れています。

 光とあそぶ、あかるい水の下には、おもく、くらい水がかくれています。ゲンタは両手も両足もひろげて、せいいっぱい水をかいていました。
 するとふいに、顔に水草がかかりました。水草は、かたにも、せなかにも、足にもからみついてきて、ぐいぐい下へひっぱるではありませんか。顔のまわりに、あぶくがまいあがり、なにがなんだかわからないうちに、ぼおっとなります。そしてそのまま川底の、そのまたおくへと、ひっぱっていかれました。カッパのあみに、つかまったのです。

 川底のどろをぬけると、水のながれが、ぴたりととまり、うすぼんやりあかるくなって、息をすることができました。目のまえに、カッパが一ぴき、立っていました。

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