小さな　小さな　ヘビがいました。だいすきな　サンゴヘビのおじょうさんにも、こえをかけられないほどの。

「大きくなりたいなあ。大きくなって、あのひとと海へ　あそびにいきたいな。」

　 それが　小さな　ヘビの　ねがいでした。

　 ある日、森いちばんの　ものしりの　オウムが　いいました。
「だいじなことは　もりもり　たべるってこと。もりもり　たべるものは、もりもり　大きくなる！」
　それからというもの、ヘビは　もりもり　たべました。すると、どうでしょう。ちょうど　たまごを千こ　のみこんだとき　『ずるり』　ヘビは　はじめて　かわが　ぬけかわりました。一まわりどころか、二まわりも　三まわりも　大きくなっていました。

　 それからも、ヘビは　どんどんたべて、どんどん　大きくなりました。あと一かい　かわを　ぬけかわれば　まちがいなく　りっぱな　しんしです。ヘビは、かわを　ぬぎはじめました。そして　ぬけかわったとたん、ヘビは　空高く　まいあがっていました。ワシの　するどい　つめに　がっしと　つかまれて。

「おれの　ぬけがらー。おねがいだー。せかい一　大きな　ぬけがらに　なってくれー。」

　その日から　ヘビのぬけがらは　せかい一をめざして　がんばりはじめたのです。