トップページ > 読書案内 >  2年生の今月の本 > 2年生におすすめの本
 > あゆみとひみつのともだち

2年生の今月の本


あゆみとひみつのともだち タイトル あゆみとひみつのともだち
著者 いぬい とみこ
出版社 岩波書店
 

 こいみどりのトドマツ林をうしろにして、一けんの家がありました。しっかりした木づくりのこの家に、おとうさんとおかあさんと、おんなの子がひとりすんでいました。

 おんなの子のなまえは、あゆみといいます。あゆみは、きょうで五さいになりました。そしておたんじょう日のおくりものに、せのたかいいすを、もらいました。おとうさんがつくったブナの木のいすです。あゆみは、このせのたかいいすにこしをかけて、おとなのテーブルで、おとうさんとおかあさんといっしょに、おたんじょう日のケーキをたべました。

 おとうさんとおかあさんが、はたけのほうへ、でていくと、あゆみは、きのうまでつかっていたちいさいいすにすわっている子ジカのネムに、ケーキをひときれあげました。
「ネム、たべてね。おかあさんのやいた、おたんじょう日のケーキよ。」
 ネムは、ふわふわの大きな耳と、ぴょんとたったしっぽの、ぬいぐるみの子ジカです。
「あゆみちゃん、ぼくも、そっちへいきたいよ。」
 ネムが、ちいさいいすのうえで、せのびをしていうと
「あら、でも、ネムはまだちいさいんでしょ。あゆみはね、もうじきおねえちゃんになるの。だからこのおっきいいすにすわってもいいの。」
(つまんないよ、ぼく。)
 ネムはおこって、あゆみをみつめました。

Page Top