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2年生の今月の本


かいぞくノンとかいぞくドン タイトル かいぞくノンとかいぞくドン
著者 吉田 仁子
出版社 国土社
 

 暗いばんでした。黒いあやしげな船が、港へはいってくると、人をふたりおろしてまた、おきのやみのなかへ、消えていきました。船からおりたふたりは、かいぞくでした。たったいま、親分にひまをだされて、港にほうりだされたところだったのです。
「ああ、いっちまった。」
  ふとっちゃのかいぞく、ドンがいうと、やせてせいたかのっぽのノンが、ドンのかたをたたいて、
「さあ、ひさしぶりに、どこかでうまいめしでも食おうぜ。」
と、いいました。きのう、ノンは、かいぞくせんで、トランプに負けて、親分と大げんかをしたのです。

「親分のくせに、いんちきをしたな。おれの金を、かえしてくれ。」
「なんだと、子分のくせに。とんでもないことをいうやつだ。おまえのようなやつは、でていってしまえ!」
 そういって親分は、お金をかえすかわりに、ノンにたからの地図をわたして、おいだしてしまったのです。
「な、ノン。おれもいくよ。おれたちゃ、がきのころから、いっしょだものな。」
 そういってついてきたドンとふたりで、このみしらぬ島におりたのでした。
「ドン、あしたからは、たからさがしだぞ。」
 ノンは、シチューをたべながら、そういいました。

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