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2年生の今月の本


おにの赤べえ タイトル おにの赤べえ
著者 寺村 輝夫
出版社 理論社(キッズパラダイス)
 

 むかし、ある山おくに、おにの村がありました。おにの村では、子どもがうまれると、木を植えました。その木がのびて、父さんおにと母さんおにが手をつなぎ、ちょうど抱えられる太さになると、子おには大人になる祝いをしてもらい、大人の仲間入りをします。 今年、大人になるおには、なんともちっぽけなおにでした。

「これじゃ、まるで人間だ。人間の村でなら、大人になれるだろうが、おにの世界じゃ無理だろうぜ」

  おにの親分も、集まっていたおにたちも、ぐわぐわと笑いました。笑われたちびおには、言いました。
「そんじゃ、人間の村で大人になるよ」
 そのばん、父さんおにが言いました。
「いいか。人間の村へ行ったら、何でもさかさまにしろ。たたかれたら、にこにこ笑え。石をぶつけられたら、ありがとうっていいうんだ」
「わかった。何でもさかさまだね」
 ちびおには、夜のあけないうちに、ひっそりとおにの村を出ました。

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