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2年生の今月の本


森のゆうびんや タイトル 森のゆうびんや
著者 森山 京
出版社 フレーベル館
 

 ウサギのウベベは、ゆうびんやさん。ゆうびんはいたつの帰り道、少しはなれた後ろから、だれかがこっそりつけてくる。
(いったいだれだろう?)
ウベベは、いそぎ足になると、ふりむきもせずに走りつづけ、カシの木のかげへひょいとかくれた。息をころして待っていると、しのび足であらわれたのは、子ザルのマッシーラ。
「あいつ、また何かいたずらをする気だな」
ウベベは、マッシーラのいたずらには、いつもこまっていた。ついこの間も、まる木ばしにあぶらをぬられ、足をすべらせて川の中へ落ち、そのはずみに、ゆうびんのもんくを忘れてしまったのだ。なにしろ、この森のゆうびんというのが、口で伝える口づてゆうびん。字で書くかわりに、ウベベに話してきかせ、それを一言のまちがいもなく、あいてに伝えるのが、ウベベの仕事なのだ。

  それにしても、いまいましいのは、マッシーラ。うんとこらしめてやらないことには……。
「やあ、マッシーラ。ぼくに何かようかい?」
 いきなり目の前にとび出したウベベに、マッシーラはびっくり。
「ぼ、ぼく、ゆうびんをたのもうと思って…」
 マッシーラはクマのヌーボーにゆうびんをとどけてほしいというのだ。ヌーボーといえば、森のはずれに一人ぼっちでくらしていて、めったにすがたを見せることのないあの黒クマじゃないか!

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