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2年生の今月の本


せかいはひろし タイトル せかいはひろし
著者 谷川 俊太郎
出版社 あかね書房
 

 ひろしが、ひょいと うしろをむいたら、その子が立っていた。見たことのない子だ。せいは、ひろしと おんなじくらい。じいっと ひろしを見て つっ立ってる。
<へんなやつ>
と、ひろしは思った。しらん顔して、ひろしはトンネルをほりつづけた。二回 くずれたけど、三回目にトンネルはできあがった。ミニカーがトンネルをくぐる。なかなか、いいかっこうだ。

 ふと見ると、まだその子が立ってる。しょうがないから ひろしは声をかけた。ところがその子は、返事をしないのさ。その子はなにもいわないかわりに、しゃがんで 地面になにか かいたよ。

「12-2」
 ひろしだって そのくらいよめるさ。
「なんだい、それ。」
  そしたら、へんなやつは、いきなり早口でいった。
「ぺるらるれ れるける とぺらるら。」
「えっ?なんだって?」
<あれれ>
と ひろしは思ったね。
「なんだあ、がいじんかあ!」
 かみも目も、ひろしとおんなじいろだけど、よく見るとやっぱりどこか すこうしちがう。

  そのときひろしは はっとした。その子の目から なみだが一つぶ、つうっとほっぺたへ ながれてる。
「どうしたの?」
 つうじないとわかっているのに、ひろしはきいた。そしたらその子は、12-2のそばに、うちのえをかいたんだ。そしてうちのやねの上に、こんなかたちをかいた。
「?」
「わかった! まいごになったんだ! しんぱいするなよ、さがしてやるよ。」

●ひろしは、男の子が書いた番地を探して歩き出します。途中犬に吠えられたり、おばさんに声をかけられたりしながらぐんぐん歩いていくと、いつのまにか知らない原っぱに出てしまい……。言葉の通じない二人は無事家にたどりつくことができるのでしょうか? 

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