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> イソップ童話 二年生
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タイトル |
イソップ童話 二年生 |
著者 |
イソップ(原作)/三田村 信行(編著) |
出版社 |
偕成社 |
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一ぴきの子やぎが、むれからはなれて、とことこ走っていました。 「おーい、おーい、みんな、どこだあ」
子やぎは、なきながら 走りつづけました。子やぎの声を聞き、おおかみが、したなめずりをして、おいかけてきました。たちまちおおかみは、子やぎにおいつきました。
もうだめだと思った子やぎは、おおかみにいいました。 「ぼくが あなたにたべられるのは、もう きまっています。でも、このまましんでしまうのは、ざんねんでたまりません。それで、ひとつ おねがいがあるのですが…」
「なんだ、いってみろ」 「はい。じつは、ぼくは おどりがだいすきなんです。ですから、しぬまえに、思いっきりおどってみたいんです。それで、あなたに ふえを ふいてほしいんです」
おおかみは、えものを もう 手に入れたも同然に 思っていたので、子やぎのたのみを きいてやりました。
おおかみが、ぴっぴっぴーひゃらら と、ふきはじめると、子やぎは、そのふえにあわせて おどりはじめました。子やぎをおどらせながら、おおかみがむちゅうになって ふえをふいていると、とつぜん、ちかくで 犬のほえ声がしました。ふえの音を聞きつけてかけつけてきたのです。
「おれも ばかだったよ。りょうしのくせに 音楽家のまねをするなんて――」
おおかみは、ぼやきながら にげていったということです。
●イソップの寓話は、今から二千年以上も昔に作られたそうですが、いまだに世界中の人々に親しまれています。この本は、小学2年生のために厳選された話23編が収録されています。いずれも、楽しく読めること請け合い。是非、親子一緒で読んでみて欲しい一冊です。
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