ある日、子ぎつねの　きいくんは、おじいさんの　いえに　でかけました。すると、おじいさんが、リボンのついた、小さな　かみぶくろを　くれました。

「もうすぐ　きいくんの　たんじょう日だから、プレゼントだよ」
　中には　ふるぼけた　マッチばこが　はいっていました。おもてに、口から　火を　ふいている、ドラゴンのえが　かいてあります。

「これが、たんじょう日の　プレゼントなの？」
　きいくんが、がっかりした　声を出すと、おじいさんは　いいました。
「それは、ただの　マッチばこなんかじゃないぞ。ドラゴンマッチといってな、ほんもののドラゴンがかくれてるってうわさがある。おじいちゃんが　子どものころは、みんなして、せっせと、このはこを　あつめたものさ」
「えっ！」
きいくんは、おどろいて　マッチばこを　みました。
「ひきだしを　あけるときには、そおっとね。けっして、いきなり　あけたりするんじゃないよ。それと、『トントントン、ひきだし　あけてもいいですか。トントントン、ひきだし　これからあけますよ』っておまじないを　となえるのも　わすれないようにね」

　さて、このマッチばこには　ほんとうに　ドラゴンが　かくれているのでしょうか？