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2年生の今月の本


もう一羽のがちょう タイトル もう一羽のがちょう
著者 橋谷 桂子
出版社 文化出版局
 

 ある町に、一羽のがちょうがいました。このがちょうの名まえはカテリーナ。カテリーナのすむ池に、がちょうはカテリーナしかいません。カテリーナは、いつも、さびしい思いをしていました。

 ところがある日、カテリーナは、もう一羽のがちょうをみつけたのです。そのがちょうは、ピカピカひかる車のとびらにいました。カテリーナは、車をじっとみつめつづけました。
「いつかきっと、出てきてくれるわ。そうしたら、もう一人ぼっちじゃなくなる」
 ピカピカひかる車のもちぬしは、バズウェルさん。通りのむこうの銀行におつとめしています。

「おばかなカテリーナ、どうして、ぼくの車を、みつめてるんだい?」
町のみんなは、カテリーナがだいすきです。みんな、銀行にいくとちゅう、カテリーナに声をかけて、えさをやっていくのです。町じゅうの人が、バズウェルさんの銀行におかねをあずけていきます。カテリーナはしばらくそれをみていましたが、
「クワックワックワッ!」
となくと、またピカピカする車をみにいきました。でも、もう一羽のがちょうは、まだでてこようとしませんでした。

 クリスマスイブのこと、ねむっていたカテリーナが目をさますと、あたりはまっくらやみ。
「ピカピカの車にいるがちょうは、どうしたかしら?」
がちょうをみにいったカテリーナは、びっくりしました。車はピカピカじゃなくなっているし、がちょうもいません。出てきたんだ! とうとう出てきてくれたんだ! でも、池にはいないし、通りにもすがたは見えません。
「どこにいるのかしら?」
 そのとき、何かがくらやみでうごくのが見えました。

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