もうすぐクリスマス。エリックのおうちでは、家族そろってツリーのかざりつけをしました。
「そうだ。サンタさんにプレゼントをお願いしなくちゃ」
　エリックは、みんなのためにプレゼントを考えて、サンタクロースに手紙を書くことにしました。

　 エリックは、みんなのプレゼントを書いて、手紙を封筒に入れました。封筒には「なんきょくのサンタクロースさま」と書いて、ポストに入れました。サンタクロースが北極に住んでいることは、みなさん知っているでしょう。だから、封筒には「ほっきょく」と書かなければならないのに、エリックは「なんきょく」と書いてしまったのです

　 さあ、たいへん！

　でも、実は南極にもサンタがいたのです。南極のサンタは、北極のサンタの遠いいとこです。エリックが宛先をまちがえるまで、この南極に住むサンタのことなんて、誰も知りませんでした。

　数日後、南極のサンタは、エリックの手紙を受け取ってびっくりしました。
「何かの間違いに違いない。手紙なってもらったことないんだから」

　 でも、封筒には確かに「なんきょくのサンタクロースさま」と書かれていました。サンタは手紙を読んでみました。クリスマスのお願いの手紙なんてはじめてなので、どうすればよいかわかりません。でも、
「家族みんなのプレゼントを頼んでくるなんて、やさしい子だ。何とかして、この小さなエリックのゆめをかなえてやりたい」
　サンタはそう思いました。