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2年生の今月の本


アナグマのもちよりパーティ
タイトル アナグマのもちよりパーティ
著者 ハーウィン・オラム
出版社 評論社
 

 アナグマが、もちよりパーティを開きます。
「みんながそれぞれ、何かを持っていくんだね」
と、ハリネズミ。
「そりゃ、おもしろいや!」
「わたし、カップケーキにするわ。じょうずなのよ」
と、リス。

  モグラは困ってしまいました。もちよりパーティなんて、どうしたらいいんだろう。アナグマくんに聞いてみよう。
「ごしょうたい、ありがとう。でもぼく、行かれないや。持って行くものないんだもの。それに、新しい家を作るんで、用意する暇もないんだ」
と、モグラ。

「おや、そう。それじゃあ、きみだけでも、きてくれよ」
とアナグマ。
「つまりさ、他のみんなは、何かを持ってくるわけだよね。でも、きみさえよかったら、きみじしんを持ってくるって、考えてよ」

 そこで、モグラは、何も持たずにパーティに出かけました。他のみんなはおしゃれをして、何かしらすてきなものを持ってきました。

「モグラくんは、何を持ってきたの?」
と、ハリネズミ。
「えーっと、ぼくじしん……」
ちょっと小さくなって、モグラは答えました。
ハリネズミは、びっくりして、
「ちょっと、みんな。モグラくんたら、持ってきたのは、じぶんじしんだなんていうんだ」
と言いました。

「信じられない! わたしたちみんな、じぶんじしんとそのほかになにか持ってきたのよ」
「ずるいよ!」
モグラは1センチぐらいに縮まってしまったような気がしました。

  モグラは心底後悔しました。モグラは部屋の隅にいって、ぶどうジュースとカップケーキを食べました。でも、味もわかりません。みんなが自分を指差して
「ねえ、あれが、もちよりパーティに何も持ってこないできたひとよ」
と言いました。

 そのとき、アナグマがそっときて、
「ねえ、モグラくん。たしかにぼくは、何も持ってこなくてかまわないって言ったよ。でも、それはそんな隅っこで、いじけて悲しそうにしているきみのことじゃない。いつも通りのきみ、いつものゆかいなきみのことだったんだ」

  モグラの頭に何かがひらめきました。

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