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2年生の今月の本


ビルにきえたきつね タイトル ビルにきえたきつね
著者 角野 栄子
出版社 ポプラ社
 

 大きな都会のまんなかに、浄水場がありました。うら庭は、林になっていて、そこには小さなきつねが住んでいました。庭番をしているすずきさんだけが、このきつねのことを知っていました。

 ある日のこと、きつねは、すずきさんから、もうじきこの浄水場がこわされて、大きなビルがたつことを聞かされました。

「今度の休みにでも、西山にいってはなしてやろう」
と、すずきさんは言いました。すると、きつねは、ほっそりとした美しい青年にかわり、すずきさんに言いました。
「わたしは人間になって、この住み慣れた都会でくらしていきます。さびしい山で、一人ぼっちになるのはいやです」
 こうして、きつねは人間の姿になって、くらしていくことになりました。

  浄水場の近くに、壊れかけた小さな芝居小屋がありました。お客が来ないから、もうやめようと、持ち主が決心したときでした。
「わたしにゆずっていただけませんか?」
と、一人の青年がやってきました。青年は、服のそでから、ひょ、ひょいと、おさつをトランプみたいに出しました。持ち主は、目をしろくろさせて、
「いいですとも。いいですとも」
といいました。

 すすきの天吉という、わかい手品師が、その芝居小屋に出演するようになったのは、それからまもなくのことでした。

●こうして、きつねはすすきの天吉と名乗る手品師として、たくさんの人の前に姿を現すことになります。初めて手品をする日、小屋は満員になりました。さて、天吉の手品はうまくいくのでしょうか?

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