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3年生の今月の本


なきわらいのいばりんぼう タイトル なきわらいのいばりんぼう
著者 一色 悦子
出版社 草炎社
 

「この二年一組から、絵のてんらん会の入せんしゃがでました。それも、全国一のゆうしゅうしょうです。」
 ある朝、京子先生がみんなに言った。
「だれ? 先生、だれですか?」
 みんなきゅうにシーンとなって、京子先生のほうを見た。
「来週の土曜日に表しょうしきがあります。全国からえらばれた小学生が集まるのよ。」
 先生は、まだかんじんの名前を言わない。

「この組で、絵がとくいなのは、たけしくんか けんたくんかどっちかだから、きっと、けんたくんだね。」
 となりのせきのゆりちゃんがぼくをつついた。
「ちがうよ。たけしだよ。」
 そう言いながらも……もう、心ぞうは期待で今にもはれつしそう。ぼくは、たけしくんには、まけたくない!

 そのとき、先生の声が耳にわーんととびこんできた。
「けんたくんのかいた絵です!おめでとう。」

  すぐそのあと、全校集会があって、校長先生がぼくの名前を大きな声でよんだ。こうして、ぼくの名前は、全校生徒みんなに知られてしまった。すごいなあ。全国で1番だって!なーんか、しんじられない。ぼくは、すぐにニヤニヤしてしまう……。トイレに行っても、校ていであそんでいても、みんながぼくを見ているような気がして、ちょっぴりてれくさい。もしかして、ぼくは、天才かもしれないぞ……。

 次の日から、みんな、「いよう、第一小学校の有名人。」 とか言って、ふざけるんだ……。ぼくは、とてもうれしかった。ところが、その日のほうか後、くつを取り出そうとして、ぼくは、ノートのきれはしのようなものを見つけた。ひらいてみると、カタカナの字が書いてあった。<ヒョウショウシキニハ ゼッタイ デルナ。デタナラ タイヘンナ コトガ オキルゾ> えっ、なに、これ?ぼくには、わけがわからない……。

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