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3年生の今月の本


いつもみているよ タイトル いつもみているよ
著者 松田 もとこ
出版社 ポプラ社
 

 たくみは、まい日びょういんへいく。びょうきではない。げんきぴんぴん、はしって、びょういんへいく。
「きたよー。」
「よくきたね。」
 九十五さいのひいおじいちゃんが、むかえてくれる。おじいちゃんはたくみの、ともだちだ。大きなつくえで、いつもなにかかいている。

「なにかいてるの。」
「はいくだよ。」
「はいくって?」
「五・七・五のみじかい詩だよ。」
〈ほほえめり 何の夢みる 昼寝の子〉
「きのうは、よくねていたね。」
「えー、ぼくのことなの。」
 たくみのきもちがくすぐったい。

  きゅうきゅうしゃの音がちかづいてきた。
「おじいちゃんは、いかなくてもいいんだよね。」
「もう、医者じゃないからね。」
 おじいちゃんは、さびしそうにつぶやいた。
「ぼくは、医者のとうさんたちより、おじいちゃんのほうが、ずっといいよ。いろんなはなしをしてくれるもん。」
 おじいちゃんは、びょういんの理事長室でくらしている。
「ここにいたら、できることがあるんだよ。」
とおじいちゃん。おじいちゃんは、ひとのせわをするのが、すきらしい。たくみは、おじいちゃんのはなしをきくのがすきだ。ところがある日……。

●たくみとひいおじいちゃんの交流が、おじいちゃんのはいくとともに描かれていきます。おじいちゃんの昔の思い出話を聞いたり、びょうきになったおじいちゃんを見舞ったりする中で、命のつながりを感じ取ることができる作品です。

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