トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > ハトのピジョーとぼく

3年生の今月の本


ハトのピジョーとぼく タイトル ハトのピジョーとぼく
著者 小林 紀美子
出版社 理論社
 

 夕暮れの蓮池公園で、ぼくはパンくずをまいている。今ごろ、クラスの主だった男子は、中央公園でサッカーをしているはずだった。ぼくは誘われなかった。だから、こうして一人で蓮池公園に来ている。もともと目立つ方ではなかった。五年生になって、クラス替えがあって、一月たった今、なんとなくグループも出来上がって、ぼくは完全にはじき出されていた。

  ぼんやりパンくずをまいているうちに、奇妙なことに気づいた。群れとは別に、二羽のハトだけが、トコトコと輪の外側を回り続けている。後ろのハトが、前のハトを追い回しているのだ。ぼくは後ろのハトを追い払った。前のハトは、どうやら飛べないらしい。ぼくが追っても、歩き続ける。ぼくは、そのハトをこのまま置いておけない気がして、家につれて帰った。ぼくはそのハトに、ピジョーという名前をつけた。

Page Top