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3年生の今月の本



テストどろぼう、犯人はだれだ?
  タイトル テストどろぼう、犯人はだれだ?
著者 松本 聰美(作)  宮崎 耕平(絵)
出版社 ポプラ社
 

「明ちゃーん」
うしろから、しんちゃんの声がした。
「いいこと教えてあげる。近道みつけたんだ。今日の帰りに通ってみようよ。」
「……うん。」
「きまり! 今日の帰りは、“はかば通りの近道”だ」

ぼくとしんちゃんは、山の上の高平台だん地に住んでいる。しんちゃんの家は、ぼくんちの一けんおいてとなり。

  その日の帰り、ぼくたちは近道をして帰った。せまいおたふく食どうのよこの道を通って、すべり台ぐらいの高さの土手に出た。そして、それをのぼりきったら、空き地があった。そのむこうの竹やぶに入ると、おくに白い光がさしている。
「あっ、おはかだ!」
 ぼくは、体がぷるっとふるえた。けれど、しんちゃんは、竹と竹の間をすりぬけて、どんどん行く。ぼくも、急いでついて行った。

 やっとのことで竹やぶをぬけ出ると、ゆるいしゃめんいっぱいに、おはかがたくさんならんでいた。その中に、とても大きくてりっぱなおはかが1つあった。そのおはかの入り口には、ポストがたっている。
「ねえ、どうしておはかにポストなんかあるんだろうね……。」

●二人は、お墓のポストに手紙を入れることにしました。しかし、しんちゃんが入れたのは、お母さんに見せたくないテストだったのです。後になって後悔したしんちゃんは、「ぼく」と一緒にテストを取り戻しに行くのですが……。たくさんの登場人物と二人との心のふれあいが描かれた、さわやかでしみじみとした気持ちにさせてくれるお話です。

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