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3年生の今月の本


えんぎかつぎのだんなさん タイトル えんぎかつぎのだんなさん
著者 桂 文我(作)  梶山 俊夫(絵)
出版社 福音館書店
 

 むかし、ある町に、大きなごふく屋がありました。このお店のだんなは、えんぎをかつぐことでゆうめいでした。『うえ』という言葉はすきですが、『した』はきらい。『かみ』がよくて、『しも』がいや。『あがる』と聞くとよろこびますが、『さがる』ときくとおこります。
 ある日のこと、だんなは、さだきちとかめきちを、ざしきへよびました。だんなは、ざしきのまん中で、火ばちをかかえて、さむそうにすわっています。
 さだきちが、「だんなさんは、さむいのがおきらいですか?」とたずねました。「あたりまえじゃないか。わしは、冬が大きらいでな。おまえは、すきなのかえ?」とだんながたずねるので、さだきちは、「いえ、わたしもきらいですわ。手がしもやけになりますし」と答えました……。

   すると、「なにっ!」だんなの顔はまっ赤になりました。「さだきち!今、手が何になると言うた?」……

●落語家、4代目桂文我さんによる、らくご絵本です。「オチは、一体どうなる?」と、大人もワクワクしながら、読み進んでしまいます。独特の言い回しや雰囲気に、吸い込まれてしまう1冊です。起承転結のしっかりした文章を読む楽しさを味わいながら、落語の世界に触れてみるのも楽しそうです。

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