まだ、ようちえんのころ、先生に「大きくなったら何になりたいですか？」と聞かれたとき、みんなは「ケーキやさん」とか「お花やさん」とか答えていた。けど、わたしはちがった。わたしがなりたいのは、そんなふつうのものじゃないの。わたしがなりたいのはね……「魔女！」
　今、小学生になっても、魔女になりたい気持ちはかわっていない。自分で、魔女の本を見つけてきては読んでいるんだ。そんなある日のこと、竹ぼうきを持ってにわで掃除をしていると、おじいさんのゆうびんはいたつがやってきた。そして、わたしに一通の手紙を渡した。
「あなたにとって、すてきなおたよりじゃよ。」
と言って。おじいさんから受け取った手紙を開くと、そこには本当にすてきなことが書いてあったの。

『あなたは、あこがれの「魔女の国」へいけることになりました。いますぐ、えきにきてください』ってね――！