トップページ > 読書案内 >  3年生の今月の本 > 3年生におすすめの本
 > きずだらけのリンゴ

3年生の今月の本


きずだらけのリンゴ タイトル きずだらけのリンゴ
著者 きむら ゆういち
出版社 講談社
 

 タヌキのゲンタは、人間をだまして遊んでいた。そんなある日、ゲンタは、“どうどうめぐりのじゅつ”で、人間をだまそうと、木の上でまちぶせをしていた。このじゅつにかかると、いくら歩いても同じ道にもどってしまうのだ。

 その時、一人の女の子がやってきた。ゲンタがその女の子にじゅつをかけると、
「あれぇ、へんねぇ。また同じところに戻ってきちゃった」
女の子は、まんまとじゅつにかかった。
「ワッハッハ。やーい……」
だまされた~、と言おうとしたひょうしに、ゲンタの足がズルリとすべった。

「あわわ」
 ゲンタは、木の下のしげみにまっさかさま。
「し、しまったぁ」
 ゲンタがあわてて首をすくめた、その時だ。
「だいじょうぶ?」
 女の子が心配そうにきいた。
「へ?」
「けがしなかった?」
 思いがけない言葉に、ゲンタは茂みの中でとまどった。

Page Top