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3年生の今月の本


おれはレオ タイトル おれはレオ
著者 佐々木 マキ(作)
出版社 理論社
 

 秋のある日、女の子が池のほとりで、バナナを食べていた。すると、遠くの方から、
「バナナ、おれにくれいっ」
と、さけびながら、大きなサイが走ってきた。女の子は、あわてて近くの木によじのぼった。サイは、ものすごいいきおいで、ドスンとその木に体当たりした。木はゆっさゆっさとはげしくゆれたので、女の子はえだにしがみついた。

 サイは
「はらぺこなんだ。バナナくれい」
と言って、また走り出すかまえをした。そのとき、木の上から女の子が大きな声で、こう言った。

「サイ食べたいさ!」
 サイのうごきが、ぴたっとまった。
「なんだ、そりゃ」
 サイが女の子をじろっと見上げた。
「これは回文。前から読んでも、後ろから読んでも、同じになることばよ」

  女の子は持っていたバックの中から、バナナをとり出すと、
「回文でしょうぶしない? かったほうが、このバナナを食べられる。先に3回まちがえたほうがまけよ。どう?」
と言った。
「そいつはいいな。こう見えても、回文はとくいなんだ」
 サイがにやりとわらった。

●このお話には、面白い回文がたくさん出てきます。「回文って、こんなにたくさんできるのか」と、驚かれるお子さんも多いでしょう。女の子と動物たちのやり取りが面白く、読むだけでも楽しめますが、役になりきって音読すると、より一層楽しめると思います。実際にお子さんと一緒に、回文を作ってみるのも楽しいでしょう。

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