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3年生の今月の本


トラねこマーチンねずみをかう タイトル トラねこマーチンねずみをかう
著者 D.キング=スミス(作) 金原 瑞人(訳)
津尾 美智子(画)
出版社 あかね書房
 

 とらねこのマーチンは、生まれて間もないころから、ほかの子とちがっていました。らんぼうなことがきらいで、お母さんが育ちざかりの子どもたちに小さなネズミを一ぴきつかまえてもってきたときも、マーチンはさわろうともしませんでした。

「マーチン、ひと口、かじってごらんなさい。ネズミはとってもおいしいんだから。どうしたの?」
「だって、かわいいんだもん。・・・・・・かわいそうだよ。」
という始末。そんなマーチンをいつも兄弟は「あんたって弱ネコ」とばかにし、お母さんは「ほんとうに、こまったものね」ときつい声でしかっていました。だから、一人前のネコとして自分で食べ物をつかまえるように言われたときは、マーチンは大よろこびでした。これで、二度とネズミを食べないですむようになったのですから!

  けれども、ネコには生まれつきのネズミ捕りの本能というものがあります。マーチンは最初に出くわしたネズミを、つい、捕まえてしまったのです。ふるえる声で「たすけて、たすけてください!」といいつづけるそのネズミを、マーチンはなんて小さくてかわいいんだろうとおもいました。だから、こういったのです。
「これからきみをどうするかわかるかい?」
「いじめて、楽しんで、それから食べてしまうんでしょう?」
「はーずれ。ぜーったいに、殺したりなんかしないよ! ぼく、きみをペットにするんだもん!」

●ネコはネズミを捕まえるもの・・・・・・ですが、マーチンはちょっとかわりもの。「ふつうのネコ」とはちがいます。ネズミがかわいくてしょうがありません。だから、ふつうのネコでは遭わないような危険やピンチに遭遇してしまいます。けれども、そのハラハラ・ドキドキがとてもユーモアたっぷりに描かれています。ぜひ、読み聞かせなどで親子で楽しんでいただきたい作品です。

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