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3年生の今月の本


かっぱうたろう タイトル かっぱうたろう
著者 おの りえん(作) かじやま としお(絵)
出版社 福音館書店
 

 かっぱのうたろうは、村はずれの沼に、とうさまとかあさまと、なかまたちと住んでいた。
「沼には寿命があって、その寿命が来た日には、沼は干上がってしまうのよ。そん時にゃあ、かっぱもみな、沼の主さまのおともして、引っこさにゃあならんのよ」
 沼一番の年よりかっぱは、いつも口をすっぱくして言っていた。

  うたろうには、同い年くらいの友だちがいない。人に見られてめんどうをおこさぬように、お日さまの明るいうちは沼から出ないのが、かっぱのおきてだけど、うたろうは、なかまの目をぬすんでは、村まで出かけていって、村の子どもたちが遊ぶのを、うらやましく見ていた。

  かーっと晴れたある日のこと。うたろうは、いつものように子どもたちをこっそりのぞいていた。その時だ。とつぜん、うしろで、ごーっと、すさまじい音がした。びっくりしてうしろをふりかえると、沼の上に、ぐるぐると黒い雲がうずまいて、たちのぼっている。村の子どもたちもうたろうも、頭かかえて、ぎゅっと地面につっぷした。
ごーっ!ごーっ!
 どのくらいたったろう・・・。うたろうは、そっと顔をあげて、沼の方を見やった。そして、あっと息をのんだ。沼がない!

●今日が年寄りかっぱの言う「沼の寿命」だったのです。ひとり取り残されてしまったうたろうは、行くあてもなく、山の中を泣き泣きさまよい歩きます。そんな時、一軒の家を見つけました。うたろうは、その家をたずねるのですが・・・。この他にも、3つの楽しいお話が入っています。昔話風の語り口は、読み聞かせてあげるのにもぴったりです。

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