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3年生の今月の本


たんぽぽ先生あのね タイトル たんぽぽ先生あのね
著者 宮川 ひろ(作) 長谷川 知子(絵)
出版社 ポプラ社
 

 上田先生は、今日から3年1組の担任です。先生は、自こしょうかいの時、自分でほってきた、長い、長い根っこのたんぽぽを、みんなに見せました。次の日の朝、こうすけが学校に来ていません。どうやら、土手でたんぽぽをほっているらしいのです。こうすけは、じゅ業中に、歌ったり走ったりと、こまった事をする子です。
「いないほうが、しずかでいいよ。」
と、言う子もいます。だけど、先生は、何も気にしない、クラスの子どもたちの事の方が、気になります。

 こうすけが、長い根っこのたんぽぽを持って、ほこらしそうに教室に入ってきた時、先生は、
「どこへ行ったんだ。心配するじゃないか。」
ときびしい声でしかります。その言葉をきいて、こうすけは、わっとなき出します。こうすけは、今まで、本気でだれかに心配してもらったことがありませんでした。自分でも、どうしてなくのかは分かりませんでしたが、こうすけのなき声は、先生のむねの中で、どんどん大きくなっていきます。他のみんなも、わけはわからないけど、胸が一杯になって見ていました。

●クラスの子供たちは、こうすけが泣いているのを見て、こうすけの心の深い部分を感じとります。そして、「いい気持ちでなくこともあるんだね。」「先生、こうすけくんを、たくさん抱っこしてあげてね。」と、思うように変わっていきます。
 この出来事を初めとして、3年1組の学校生活を舞台に、お互いの関わりを通じて、成長していく子供たちの姿に、胸を熱くさせられる出来事がいろいろと展開されます。また、お母さんが読まれると、きっと、お子さんをぎゅっと抱きしめてあげたい気持ちになられることでしょう。自分以外の人の心について、気付かせてくれるお話です。

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