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3年生の今月の本


ガラスの花かご タイトル ガラスの花かご
著者 やなぎや けいこ(作) 岡本 美子(絵)
出版社 PHP研究所
 

 村でたった一けんのざっかやのおじいさんは、さくぞうさんといいました。大きなショーウインドウのあるお店は、なかなかしゃれていましたが、主人のさくぞうさんは、いつもきげんのわるい顔をしているので、村一番のきらわれものでした。

 お店のショーウインドウのかざりつけは毎月かわります。でも、たった一つだけかわらないものがありました。ガラスでできた小さな花かごだけは、いつもかざってあるのです。花かごのふちは花びらのようになみうっていて、一面に細かいちょうこくがしてあるので、少しでも光があたると、きらきらとかがやきました。花かごがあるだけで、ショーウインドウ全体がはなやぐのです。ですから、
「なんてすてきな花かごでしょう! ぜひほしいわ」
と、何人もの人がその花かごをほしがりました。けれど、さくぞうさんはどうしてか、けっして花かごを売ろうとはしませんでした。さくぞうさんと花かごには、なにかひみつがあるようなのです。

●だれもが見とれる美しいガラスの花かご。ある春のこと、花かご目当てに女の子がお店にやってくるようになりました。女の子を見ていると、ふいにさくぞうさんの頭には思い出したくない昔のことがよぎります。しかし、女の子との交流は、そんなさくぞうさんのつらい過去、さくぞうさんと花かごのひみつをときほぐしていくのでした。

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