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> やぎさんへてがみ
タイトル | やぎさんへてがみ | |
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著者 | 加藤 多一 | |
出版社 | 教育画劇 | |
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ある日のこと。ひとりの女の子が、かおを空にむけ、大きな口をあけて立っていました。 ホミです。明るい空から、花びら雪がふわりふわり、おちてきます。ホミが、うんと大きな口をあけたとき、とびきり大きな花びら雪がひらりひらり、おりてきました。その雪は、あそびながら降ってきて、ホミのかおの上で、白く光りました。 「あ、てがみだ」 三年前、ホミのうちへ初めてやってきたのは、ユリのかあさんやぎでした。冬のある日のこと、いつものように水とほし草をやりにいったホミは、やぎごやの中で、赤ちゃんやぎが立ち上がって、おっぱいをのんでいたのを見つけたのです。白いユリの花みたいだからユリ、となまえをつけたのはホミでした。 でもいま、やぎと別れ、町の学校へうつって三年生になっているホミは、雪のない間は、楽しくていそがしくて、ユリのことをわすれていたのです。 |