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3年生の今月の本


ねむの木ゆうびん タイトル ねむの木ゆうびん
著者 阿部 正子(作) 山中 冬児(絵)
出版社 教育画劇
 

 ここは山のふもとの村。ともこはおばあちゃんのうちにあそびにやってきました。この十けんだけの小さな村にともこのおばあちゃんはひとりですんでいるのです。

 お昼ごはんを食べ終わると、ともこはむぎわらぼうしをかぶって、さっそく外に出ていきました。家のすぐうらには、あさい川が流れており、川のすぐわきには、大きなねむの木があります。
「ねむの木だわ。」
 花がいっぱいにさいている木を見て、ともこはつぶやきました。そのときです。かぶっていたむぎわらぼうしがひゅっととびました。あわててぼうしをつかまえようとしますが、ともこのまわりでは、風がくるくるまわり、なかなかとどきません。すると・・・、
「ひゃあほう。」
 ふいにこんな笛をふくような声がしました。突然、目の前の川の中には、ともこより少し背の低い、やせた男の子が立っていたのです。その頭にはともこのむぎわらぼうしをかぶって。
「あたしのぼうし、返して!」
 ともこはさけんでおいかけますが、男の子はまた
「ひゃあほう。」
と、からかうようにぼうしをほうりあげ、ともこをもてあそぶのでした。

  その夜、ともこが昼間へんな子に会ったことを話すと、
「そうかい、ともちゃん、かぜたにあったのかい」
とおばあちゃんは目を細めていいました。どうやら、その子の名前は「かぜた」というようです。

●出会うたびにともこをからかう「かぜた」という男の子。かぜたは村一番のいたずらもの。しかし、村の人でもめったにかぜたに会うことはないのだそう。おばあちゃんの家に遊びに来た短い間の、不思議な少年「かぜた」との交流を描いた作品です。

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