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-『昆虫記』の誕生-

3年生の今月の本


ファーブルの夏ものがたり<br>
-『昆虫記』の誕生- タイトル ファーブルの夏ものがたり
-『昆虫記』の誕生-
著者 マーガレット・J・アンダーソン(作)
マリー・ル・グラテン・キース(絵)
千葉 茂樹(訳)
出版社 くもん出版
 

 ぼくの父さんの名前は、ジャン・アンリ・ファーブル。こん虫学者だ。ふつうのこん虫学者は、虫のひょう本で研究するらしいが、父さんは、生きている虫に関心があるんだ。
「虫たちは生まれつき、さまざまなかしこい知恵をもっている。」
と、父さんは、言うんだ。

  虫の本能を知るために、父さんは、よく、虫にいたずらをしかけた。父さんは、そのいたずらのことを「実験」とよんだ。たとえば、毎年、庭のプラタナスの木には、何百ぴきというセミがやってくる。セミがなくのは、メスを引きつけるためだと思っている人は多い。でも、父さんは、セミは耳がきこえないっていうんだ。セミはとても目がいいので、うごく物が目にはいれば、すぐになきやむけれど、見えないところでどんな大さわぎがあっても、気にかけないんだって。そして、とうとう、父さんは、ものすごい実験をやってみることにした。ぼくたちは、ワクワクしたけれど、母さんは、ちょっと心配だったみたい。

●有名な昆虫学者のファーブルの生活や人柄、仕事ぶりが、その息子ポールの目を通した形で伝えられています。10才のポールが、父親と一緒に、いろいろな昆虫の観察や実験を楽しんでいる様子を、お子さん方も、同じ視点で、わくわくした気もちで味わうことができるのではないでしょうか。

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