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3年生の今月の本


いのちの物語 義足のキリンたいよう タイトル いのちの物語 義足のキリンたいよう
著者 島田 和子(作) 宮崎 耕平(絵)
出版社 汐文社
 

 八月のある暑い日の早朝、秋田の大森山動物園で、あみ目キリンの子が生まれた。生まれたばかりのキリンの子は、すぐに四本足でしっかりと立ち上がり、お母さんのモモにぴったりとくっついていた。そして、少したつと、自分からゆっくりと人間のほうに近づいてきた。まるで、おじさんたちだれ?とでもいうふしぎな顔をして。あまえんぼうだけど、人なつっこいキリンの子に、キリン小屋は喜びの声でいっぱいになった。

 キリンの子の名前は、地元の小学生に考えてもらうことになり、『たいよう』にきまった。――夏に生まれたから、たいようのように明るく育ってほしいという意味をこめて。

 たいようは、お姉さんキリンのルルと遊びながら、毎日、家族と共にすくすくと成長していった。しかし、たいようが生まれて約半年後、寒い冬を終えた三月のあたたかな午後のこと、たいようの右前足が骨折していることがわかったのだ。

●キリンにとって、足は命を左右する体の重要な部分です。足を骨折したために、たいようはおよそ二百キロの体重を三本の足で支えなければなりません。度重なるつらい麻酔と手術に耐えながらも、「生きたい」という強い生命力を見せるたいようの姿は、私たちにいのちについて考えるきっかけをあたえてくれることでしょう。

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