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3年生の今月の本


紳士とオバケ氏 タイトル 紳士とオバケ氏
著者 たかどの ほうこ(作) 飯野 和好(絵)
出版社 フレーベル館
 

 大きな町のまんなかの古い一軒家に、マジノ・マジヒコ氏という、それはそれはまじめな紳士がひとり住んでいた。その規則正しい生活ときたら、まるで時計のようで、きちんとした身なりは、仕立て屋のウィンドウからたった今ぬけ出してきたようだった。

  ある日曜日のこと。マジヒコ氏は、十二時きっかりに昼食をとろうと、居間に入り、あかりをつけた。と、そのとたん、ぎょっとした。マジヒコ氏の席に、白い服を着た人が、プカン、とういたような感じですわっていたのだ。マジヒコ氏は、びっくりしたあとに大変ふゆかいな気持ちになった。こういうずうずうしい悪ふざけは、マジヒコ氏のとりわけきらいなことだった。
「オホン、いったい、どなたですかな。人の家にあがりこみ、わたしの席にかってにすわっておられるのは」
 その人はゆっくりふりむいた。その顔を見て、マジヒコ氏は、またどきっとした。自分と同じ顔なのだ。その人は、ひゅうひゅうした声で言った。
「わたしは、あなたのオバケですぞう~」

●突然現れたオバケは、マジヒコ氏の家を守る「家オバケ」だと言います。毎日夜中の12時に現れて、家の真面目な空気をほぐしてくれているのです。マジヒコ氏は、風邪をひいて寝込んでいたために、昼の12時と夜の12時を勘違いして、オバケに出くわしてしまったというわけです。このオバケとの出会いが、真面目なマジヒコ氏の生活を大きく変えていきます。

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