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3年生の今月の本


わるくちのすきな女の子 タイトル わるくちのすきな女の子
著者 安房 直子(作) 林 静一(絵)
出版社 ポプラ社
 

 その女の子は、人のわるくちをいうのがすきでした。人にいじわるをするのもすきでした。それなのに、女の子は、きれいな顔をしていました。あたまもよかったし、遊びもじょうずでした。女の子は、ゴムとびもとくいでした。女の子は、だれよりも高くとぶことができました。そんな女の子を見て、友だちはみんな、
「まるで、鳥みたい。」
と、あこがれのため息をつきました。

  みんなであそんでいる公園に、ぼろぼろの服に、ぼさぼさのかみをしたおばあさんがいました。女の子は、そのおばあさんのことを「ぼろっきればあさん」とよんでいました。ある日、女の子が一人で公園にいると、そのおばあさんが、虹のように美しいゴムとびのゴムひもをかしてくれました。しかし、それを高くとびこえたしゅんかん、女の子は、灰色の小鳥になってしまいました。
「あのひとが、魔法をかけたんだわ。魔法をといてもらわなきゃ。」
と、女の子は、おばあさんをさがして、とびつづけます。

●わるくちのすきな女の子の胸の中には、真っ黒いかまどがあって、わるくちを言うと、その火が、ゴーゴー燃えるらしいのです。鳥にされても、女の子のわるくちは、やむことがありませんでした。
 だれの胸の中にも、多かれ少なかれ、こんなかまどがあるのでは?ただ、その火を燃やしたり、消したりできるのは、きっと、そのかまどの持ち主自身なのではないでしょうか。

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