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3年生の今月の本


大きなタブノキ タイトル 大きなタブノキ
著者 木暮 正夫(作) 野村 たかあき(絵)
出版社 教育画劇
 

 夏の暑い日の昼下がり、とつぜん、にわか雨がおちはじめました。とうげ道のわきにある、太くてたくましいタブノキの下で、馬かたの六さん、旅のおぼうさんと、ひきゃくが、雨やどりをしながら、話していました。
「りっぱな大木ですなあ。これだけの雨なのに、一てきのしずくもおちてこんですからなあ。」
「村のみんなは、この木を『千年タブ』とよんで、大事にしとるんだよ。」
「人は、親から子へ、まごへといのちをつないでいきますが、この木は、一代で千年も生きて、なおも木のいきおいがさかん。まだまだ何百年もいきつづけるでしょう。」

  そのころから約二百年の月日が流れました。峠のようすもすっかりかわってしまい、峠の下のほうでは、ダムの工事がはじまっていました。ダムができるとタブノキは水の底にしずんでしまいます。村の分校の子どもたちは、あかね先生にうったえました。
「先生、この木をたすけてやれないの?」
 あかね先生や校長先生も、タブノキをなんとか守りたいとおもっています。そこで、木のお医者さんに、タブノキが高いところにうつしかえられるかどうか、くわしくしらべてもらうことにしました。

●タブノキは、うつしかえるには、年をとりすぎていました。千年以上もの間、村の人の暮らしとかかわり、世の中を見つめ続けてきた『千年タブノキ』は、どのような形で、残すことができたのでしょうか。世代をこえた長い時間の中での、命のつながりを感じてください。

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