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3年生の今月の本


リタイア犬ポリーの明日 タイトル リタイア犬ポリーの明日
著者 日野 多香子(作) 福田 岩緒(絵)
出版社 佼成出版社
 

 ぼくの家に犬がやってきた。名前はポリー。ずっと盲導犬をやっていたけれど、足が悪くなって、ふつうより少し早くリタイアすることになった犬だ。人間でいうなら50歳くらい。達ちゃんちのチロや聡くんちのボナパルトは、いっしょにボールのキャッチボールやかけっこをしてくれる。それがうらやましくて、ぼくも犬を飼うことにずっとあこがれていた。けれど、ポリーはキャッチボールもかけっこもしようとしない。つまんないの・・・。ぼくがほしかったのは、こんなお古の犬じゃなかったのにな・・・。

  しかし、あるとき、そんなふうにするポリーの行動の理由がわかった。ポリーは目の不自由なご主人を導こうとしていた盲導犬の頃の習慣が抜けていなくて、ふつうの犬みたいに、ボールをとってきたりかけまわったりしなかったのだ。そのかわり、ポリーにはポリーにしかできないことがあることもわかった。――ポリーは英語がわかる。進めは「ゴー」、とまれは「ストップ」。英語の指示をきいて行動することができる。――そう気づいたら、ぼくは急にポリーのことが誇らしく思えるようになった。

●リタイア犬とは、盲導犬を引退した犬のことです。盲導犬は自分の仕事に強い使命感と誇りを抱いており、その姿勢や習慣は引退しても消えるものではありません。このお話では、盲導犬をリタイアしたポリーが家族や地域の子どもたちとふれあうなかで、盲導犬という仕事への理解を広げ、また、新しいことにチャレンジすることへの勇気を与えていく姿が爽やかに描かれています。

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