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タイトル |
いのちのおはなし |
著者 |
日野原 重明(作) 村上 康成(絵) |
出版社 |
講談社 |
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ここは学校。4年2組の教室です。4時間目、ひとりの先生が教室に入ってきました。
「わたしは病院で、患者さんの診察をしている、現役の医師です。日野原重明といいます。95歳です。」
と先生は自己紹介をしました。
「今日はいのちについて、おはなししたいと思います」
先生は、みんなをぐるっと見わたすと、こういいました。
「いのちってなんでしょう?そう、生きているということですね。では生きているとは、どういうことだと思いますか?そして、いのちはどこにあると思いますか?」
そういうと、先生は聴診器を何本も取り出しました。
「わあー!」
と、歓声があがります。子どもたちは2人1組になって、あいての心臓の音をききます。目をとじて遠くの音をきくように、耳をかたむけます。だれかがぽつんとつぶやきました。
「なんだかこわい……。」
見えないいのちが、形あるものとしてせまってくる瞬間を、ひとりひとりの感じ方で、うけとめているのです。
「では、最初にした質問を、もういちどします。いのちは、どこにあると思いますか。」
「心臓!」
と、胸に手をあてる子。
「考えるのは頭だから。」
と、頭を指さす子。
「からだぜんぶ!」
と、答える子。いろんな意見が出てきます。先生はみんなの意見にうなずきながら、いいました。
「わたしは、こんなふうに考えています。いのちは、きみたちのもっている時間です。」
●「いまきみたちは、どのようにでもつかえる自分の時間をもっている。時間をつかうことは、いのちをつかうことです。」と日野原先生は言います。そして、その時間を、自分だけのためでなく、人のためにつかってほしいと語ります。是非親子で一緒に読んでみてください。その時間は、きっと、自分のいのちと向き合える大切な時間になると思います。
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