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3年生の今月の本


栗栖ちくりん タイトル 栗栖ちくりん
著者 いわむら かずお(作)
出版社 理論社
 

 うさぎの宇崎はるさんと、ねずみの根津あかねさんが、いそぎ足で牧場のわきの坂道をのぼっていきます。坂のとちゅうのくりの木の枝に、栗栖さんのだんなさん、りすのちくりんさんがすわっていました。
「はるさん、あかねさん、そんなにいそいで、なにかあったんですか」
「あら、ちくりんさん、ちょうどよかった。さがしていたの」
 はるさんが立ち止まって、くりの木の上を見上げました。
「この、さかの上で、まさか、事件でも」
 はるさんは、
「事件ってわけじゃないけど、ちくりんさん、知ってます?夜の、あやしいかいぶつのこと」
と、声をひそめていいました。このごろ、ゆうひの丘に、夜になると、あやしいかいぶつがあらわれ、かげのように、夜空をすーっと飛ぶというのです。

  ちくりんさんのふだんの仕事は、くるみの実やまつぼっくりをとったり、秋にはその木の実を地面にうめてたくわえ、春になったらほりだしたりすることです。そんな仕事のほかに、ちくりんさんには、しゅみがありました。それは、ゆうひの丘でおきるなぞの事件を調べて、かいけつさせることなんです。私立探偵とでもいいましょうか。事件がおきたとなれば、調べないわけにはいきません。こうして、ちくりんさんは、事件の手がかりを見つけるため、調査にでかけたのでした。

●ゆうひの丘に現れる、なぞの怪物の正体を突き止めるため、栗栖ちくりんが立ち上がります。たくさんの動物が登場しますが、りすの「栗栖ちくりん」、うさぎの「宇崎はる」など、そのネーミングもユニークで、お話の面白さを引き立ててくれます。皆さんもちくりんさんと一緒に、怪しい怪物の正体を推理してみてください。

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