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> 先生、しゅくだいわすれました
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タイトル |
先生、しゅくだいわすれました |
著者 |
山本 悦子(作)佐藤 真紀子(絵) |
出版社 |
童心社 |
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「ゆうすけくん、しゅくだいがまだ出てないよ」
黒板の前で、点けんがかりのりなが、こわい顔でぼくをにらんでる。
あっ!わすれた!
ゆうべねる前に気がついたんだ。まだしゅくだいやってなかったって。でも、そのときは、もうねむくて。「ええと、ええと」ぼくがへんじにこまっていると、たんにんのえりこ先生が教室に入ってきた。ぼくは、えりこ先生のそばまでいった。「あ、あの。ぼく、しゅくだいわすれたっていうか、できなかったっていうか」「できなかった?」えりこ先生が聞きなおしてきたので、ぼくはこっくりうなずいた。「ゆうべ、あの、えっと、おなかがいたくて……。朝もなおってなくて、お母さんもおなかがいたくて、ばんごはんのバナナがよくなかったみたいで…。」ぼくはしどろもどろでうその話を続けた。
ああ~。もうだめだめ。
目をぎゅうっとつぶると、えりこ先生の明るい声が聞こえた。「ゆうすけくん、だめだなあ。ウソをつくなら、もっと上手につかなくちゃ。」「え?」「もっとばれないようなので、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ。」
じゃあ、上手にウソがつけたら、しゅくだいやってなくてもしかられないってこと? ふむ。そんなのちょろいもんじゃん。よーし。見てろよ。
「先生、しゅくだいわすれました!」次の日、ぼくははりきって先生にしゅくだいができなかった理由を説明した。
●えりこ先生は毎日しゅくだいを出す。でも上手にウソがつけたら、しゅくだいをしなくてもいい!?――「先生、おれ、明日しゅくだいわすれます」「わたしもわすれたい」それから、みんながじゅんばんにしゅくだいをわすれるようになった。
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