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3年生の今月の本


宇宙人のしゅくだい タイトル 宇宙人のしゅくだい
著者 小松 左京(作) 堤 直子(絵)
出版社 講談社
 

 学校のかえり道、とつぜんあたまがいたくなって、目の前がまっくらになった。気がつくと、ヨシコは、まがりくねったパイプや、へんなきかいがいっぱいある広いへやの中にいた。見ると、すぐそばに、ヨシコと同じぐらいの高さの、赤い大きな目をした3人の人間がいる。みんな、青いピカピカ光るふくを着ていた。「こわがらなくてもいい。きみは、地きゅう人だね」と、そのうちの一人が言った。「ええ、そうよ。あなたたち、うちゅう人でしょう」とヨシコが答えると、3人のへんな男は、びっくりしたように顔を見合わせた。「どうぶつやしょくぶつはすきかい?」と、べつのうちゅう人が聞いた。ヨシコが「大すき!お花も、ことりも、イヌも、ネコもみんな!」と答えると、うちゅう人たちは「とてもかしこい。それに、ゆう気がある」「ほうこくとだいぶちがうぞ」などと、口々に言いあった。
 そして、うちゅう人はつづけて言った。「地きゅう人は、しょっちゅうにくみあい、他人のものをだましとったり、ころしあったりしている。こんなれんちゅうが、うちゅうに出てきてもらってはこまるのだ。だから、今のうちに地きゅうをほろぼしてしまおうか、と思っている。どうだね?」

●日本SF作家「御三家」の一人、小松左京さんが子ども向けに書いたSF短編集です。表題作のほか、読み進めるうちにどんどん想像力を掻き立てられる、ショートショート小説全25編がおさめられています。

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