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3年生の今月の本


かあさんのしっぽっぽ タイトル かあさんのしっぽっぽ
著者 村中 李衣(作) 藤原 ヒロコ(絵)
出版社 BL出版
 

 結(ゆ)衣(い)が学校から帰ってくると、きんじょのおばちゃんが、お店の前のカウンターでかあさんとおしゃべりしていました。結衣の家は、ゆう名なわがし屋「はごろも堂」です。かあさんは、朝からばんまで、いつもいそがしく「大ふく」作りをしています。だから、結衣が話しかけてもなかなか相手をしてもらえません。今日も、結衣の顔を見るとすぐに、「手をあらったら、すぐにカゴの中の手ぬぐいをぜんぶ干してきて。手早くね」と、ニコリともしないでしゃべります。「ハイハイ」と答えると、すぐに「ハイは1回!」ときびしい声が飛んできました。
 かあさんもとうさんも夜おそくまではたらいていますから、結衣はおふろも夜ごはんも一人ぼっちです。結衣はふとんの中で、学校でもらった「ふるさとのみんわ」というプリントを読みはじめました。その中で、キツネがおかみさんをのみこみ、人間にばけて子ども達とくらし始める場面を読んだ結衣は、「うちのかあさんもキツネがばけてるのかも・・・。だから、あんなにおこるんだ」と考えるようになります。「キツネのおなかの中にいる、本もののかあさんをたすけなきゃ!」

●いつも仕事が忙しくてしつけにも厳しいお母さんに、甘えたくても甘えられない女の子。お母さんの厳しさの理由を民話に登場するキツネと重ねて考える姿からは、子どもの純真さを感じると同時に、なんだか切ない気持ちにもなります。果たして、結衣は「優しい本物のかあさん」を助け出すことができるのでしょうか?

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