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3年生の今月の本


ママはお医者さん タイトル ママはお医者さん
著者 あさの あつこ(作) 本田 亮(絵)
出版社 講談社
 

 美生(みお)は、足元の小石をけりながら「ママのばか」とつぶやいた。「ママのばか、ばか、大ばか!」声に出したら、くやしくて泣きそうになってきた。「どうしてケーキが『どうでもいい』の?わたしにとっては、とっても大事なことなのに。かんじゃさんの話はいっしょうけんめい聞くのに、わたしの言うことはなんにも聞いてくれないんだ・・・」
 この前、仲良しのまいちゃんのたんじょう日会におよばれしたときのことだ。他のお友達といっしょに、まいちゃんのお母さんが作ってくれたケーキを食べた。とってもきれいで、とってもおいしかった。こんなにおかし作りが上手なお母さんがうらやましいなと思っていると、急にまいちゃんが「美生ちゃんのたんじょう日は、8月だよね」と言った。「え?うん・・・」でも、おたんじょう日会に来てね、とは言えない。うちのママが、ケーキやごちそうを作ってくれるとは、とても思えないからだ。
 美生のママは、お医者さんだ。毎日とてもいそがしい。毎朝早くから、かんじゃさんが何人も待っているし、夜中に急なかんじゃさんが来て、ひとばん中ちりょうをしていることもある。毎日夜おそくまで本を読んだり、新しいちりょう法について勉強したり、いつもすごくがんばってる。だから、ママの仕事が本当にたいへんだってことは、よくわかってる。・・・でも、ちょっとだけは美生のママでいてほしかったんだ。

●美生のお母さんは、都会から田舎に移ってきた、村にたった一人のお医者さん。診察や往診などで毎日とても忙しく過ごしています。でも、他の人達から頼りにされればされるほど、子どもにとっては甘えられない状況になってしまうんですよね。巻末には、将来医師になりたい子へのアドバイスや仕事内容の紹介もされています。

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