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3年生の今月の本


つくしちゃんとすぎなさん タイトル つくしちゃんとすぎなさん
著者 まはら 三桃(作) 陣崎 草子(絵)
出版社 講談社
 

「あそこのおうちには、まじょがすんでるのよ」
学校から帰るとちゅう、つくしちゃんの耳元で、同じクラスのるなちゃんが声をひそめて言いました。今日新しい小学校にてん校してきたばかりのつくしちゃんにとって、るなちゃんは、はじめてできた同じクラスのお友だちです。「まじょ」と聞いて、つくしちゃんはぎょっとして立ちどまりましたが、るなちゃんはさらにこんなことまで言うのです。「しかも、わるいまじょなんだよ。ほら、にわにたくさんはっぱがあるでしょう。あれにはどくがあるんだって」
 その話を聞いたつくしちゃんは、せなかをひゅっと冬がとおりぬけた気がしました。そして、思わずランドセルにぶら下げていたなわとびを、ぎゅっとにぎりしめました。そうでもしないと、こわくて体がふるえそうだったからです。
「だから気をつけてかえってねー。わたしの家はあっちだから」るなちゃんはそう言って、さっさとかどをまがって帰ってしまいました。
 つくしちゃんは少しの間、走っていくるなちゃんのすがたを見送っていましたが、力をこめて前を向き直りました。あの「まじょの家」のわきをとおらなくては、自分の家には帰れないのです。

●つくしちゃんが「魔女」の家で見かけたのは、「すぎなさん」というおばあさんでした。ひょんなことからすぎなさんと仲良くなったつくしちゃんは、「魔女かもしれない」すぎなさんから、色々なことを教えてもらいます。また、長く一人暮らしを続けてきたすぎなさんにとっても、年の離れたつくしちゃんと過ごす時間はかけがえのないものになっていくのでした。読み終わった後には温かい気もちになれる、爽やかでかわいらしいお話です。

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