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3年生の今月の本


三年三組 黒板の花太郎さん タイトル 三年三組 黒板の花太郎さん
著者 草野 あきこ(作) 北村 裕花(絵)
出版社 岩崎書店
 

 きのう、つくえの中に宿題のプリントをわすれて帰ってしまった拓(たく)真(ま)は、次の日の朝、早おきして学校にむかっていた。そのとちゅうで、なぜか同じように朝早くから学校に向かっていた、同じクラスの加奈(かな)から、「おはよう!・・・ねえねえ、この話聞いたことある?」と声をかけられた。
「わるいけど、いそいでるんだよ」そう言って、走りさろうとした拓真だったが、「『黒板の花太郎さん』のう・わ・さ」という加奈の言葉に、思わずふり向いてしまった。立ちどまった拓真を見て、加奈はまん足そうな表じょうで話しはじめた。「きのうの夜、うちのおねえちゃんから聞いたんだけどね。わたしたちの三年三組には、『黒板の花太郎さん』っていう、ようかいが出るんだって」
 加奈の話によると、「黒板の花太郎さん」は、学校がしまっている間は三年三組の黒板のうらにひそんでいて、朝みんなが学校にやってくる前に黒板から出てきて、クラスのなか間にくわわるのだという。三年生はクラスがえをしたばかりだから、「こんな子いたかな?」って思うような知らない子がいても、それが「花太郎さん」だとはだれも気づかないんだそうだ。
「その話が本当なら、教室に一番に来てる人が『花太郎さん』ってことでしょ?」そう言って、加奈はニヤッと笑った。ほかの子たちより早く学校に行って、だれが一番に来てるか、こっそりたしかめてみようというのだ。

●開門と同時に飛び込んだ二人が教室で見たのは、始業式の日に隣町からやってきたという転校生の「亮」でした。花太郎さんの噂はあっという間に広がり、そのうち亮を妖怪扱いして、嫌がらせをするクラスメイトも現れ始めます。亮と仲良くなった拓真と加奈は、「黒板の花太郎さん」の噂の正体を探ろうとしますが・・・。

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