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> くつかくしたの、だあれ?
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タイトル |
くつかくしたの、だあれ? |
著者 |
山本 悦子(作) 大島 妙子(絵) |
出版社 |
童心社 |
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「クスノキさん、今日もダメでした」ユキは、目の前の大きな木を見上げてつぶやきました。
ユキが「クスノキさん」のことを知ったのは、1年生のとき。先生が「たいいくかんのよこのクスノキは、もう百年いじょうここに立っているのよ」と、おしえてくれました。ここに小学校ができる前から立っていたのだそうです。1年生の子が6人も手をつないでやっととどくぐらい太くて、てっぺんは校しゃのやねよりも高い、とても大きな木です。
「ずっとここで、小学校の子どもたちを見てるのよ。みんなのこと、きっと守ってくれてると思うわよ」と先生が言ったとき、クスノキのえだがザザッとゆれました。ユキには、それがクスノキのへんじのように聞こえました。「守ってあげるよ」と言ってくれたような気がしたのです。
その日からユキは、こまったことがあると、いつもクスノキにおねがいに行くようになりました。「なわとびができるようになりますように」「きゅうしょくが、はやく食べられますように」「ピアニカのテストで、じょうずにひけますように」・・・。どんなねがいも、クスノキはだまってきいてくれました。
今日もユキは、大きなクスノキの前で目をとじて手をかたくあわせて、心の中でねがいました。今のねがいは、いつも同じ。ただ一つしかないのです。
「どうか、かなちゃんとなかよしにもどれますように」
●皆さんの学校にも大きな木があったでしょうか。学校全体を見下ろすように立っている大きな木は、まるで学校の象徴のようですね。ユキにとっても、堂々とそびえ立つ巨大なクスノキは、いつも自分を見守ってくれている特別な存在です。
さて、いつもユキの願いを聞いているクスノキですが、もしその声が本当に届いているとしたら、クスノキは何を感じ、どんな返事をしてくれるのでしょうね。
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