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> より道はふしぎのはじまり
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タイトル |
より道はふしぎのはじまり |
著者 |
赤羽 じゅんこ(作) 夏目 尚吾(絵) |
出版社 |
文研出版 |
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「どこ行くの?風(ふう)太(た)の家、そっちじゃないでしょう!」
亜子(あこ)は、走っていく風太のせなかにさけんだ。5時間目にとつぜんおなかがいたくなったという風太を、先生にたのまれて家まで送っていくとちゅうなのだ。だけど、風太はびょう人とは思えないほど元気で、ぜんぜんまっすぐ帰ろうとしない。それどころか、「どこ行こうと、おれのかってだろ」なんて、えらそうに言う。
「先生にたのまれてるんだからね。ちゃんと帰ってくれないとこまるわよ」と亜子が言うと、「つかまえられるもんなら、つかまえてみな。ここからが、おれのスペシャルコースだからな」そう言うと、風太はぜん力で走りはじめた。亜子はあわてて追いかけたが、だんだん差はひらいていき、角をまがったところで、とうとう見うしなってしまった。こまってあたりを見まわすと、なんとよその家のいけがきのすきまから、手のひらが「おいでおいで」している。亜子が近づくと、「早く来ないと、おいてくぞ」と言いながら、風太は知らない人の家のにわに入っていってしまった。そして、にわを横切ってブロックべいをよじのぼり、さらにとなりの家へと消えていった。
亜子はためらったが、このまま風太をほうって一人で帰るわけにもいかない。思いきって風太のあとを追いかけることにした。「なんでわたしが・・・」そう思いながらへいをよじのぼると、今度は亜子の苦手な大きな犬が待ちかまえていた。・・・でも、今さらもどれない。このまま進むしかないんだ。
●多くの男の子は「寄り道してはいけません」と叱られた経験があるのではないでしょうか。大人にとっては心配の種である子どもの寄り道ですが、子どもにとってはドキドキワクワクの小さな冒険です。でも、普段寄り道なんてしない真面目な女の子が、やんちゃな男の子と共に寄り道をすると、一体どんなことが起こるのでしょうね。
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